店舗DXについて施策・成功事例・支援企業をご紹介!
近年、あらゆる業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速していますが、実店舗を持つ企業においても例外ではありません。
リアル店舗を持つ企業にとって、デジタル化はもはや無視できない重要な経営課題となっています。店舗においては顧客体験の向上や業務効率化、データ分析による売上向上などを実現する有効な手段として注目されています。
この記事では、店舗DXの基礎知識から具体的な事例、そして店舗DXを成功させるためのポイントまで詳しく解説していきます。
目次
DXとデジタル化の違い
まずはDXとは何か?について簡単に補足しておきます。
参考:DXレポート2 中間取りまとめ(概要)(令和2年12月28日)
DXとはデジタルトランスフォーメーションと言われ、デジタルを活用した「ビジネスモデルの変革」のことを言います。一方でデジタライゼーションは各業務の「デジタル化」のことを刺します。
DXとデジタライゼーション・デジタイゼーションが混同されて使われていることが多いため注意が必要です。
一方で、定義通りの「DX」を実施するにはハードルが高いと感じる企業が多いのも事実。DXのためのイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。そのため、ここではDX化の第一歩でもある、デジタイゼーションやデジタライゼーションの事例を中心に紹介していきます。ぜひDXへの第一歩の参考にしてください。
なぜ今店舗DXが注目されているのか?
店舗DXが注目されている背景には、以下のような要因が挙げられます。
消費者行動の変化
スマホの普及はもちろんのこと、コロナ禍により店舗がはたす役割は大きく変わりました。
より便利で快適な購買体験であるECに遜色ない顧客体験がリアル店舗にも求められています。
またEC(Online)とリアル店舗(Offline)の連携も非常に重要に。OMO(Online Merges with Offline・オンラインとオフラインの融和)と呼ばれるように、ECとリアル店舗のチャネルの違いを意識しない顧客体験の設計が求められるようになってきました。
競争の激化
コロナ禍によるECサイト比率の増加や競合店との競争激化により、実店舗を持つ企業は生き残りをかけて差別化を図る必要が出てきました。
日々オンラインではAmazon、オフラインではユニクロと大手の顧客体験を経験している消費者は目が肥えています。「この店は不便だから使わない」というマイナス要素は可能な限り取り除き、お店に行かない理由をない状態にすることも重要です。
人手不足の深刻化
少子高齢化による人手不足は、多くの業界で深刻な問題となっています。
店舗業務の自動化や効率化を進めることで、人手不足の解消にもつなげられます。また従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、顧客満足度の向上にもつながります。
店舗DXの方向性・メリット
店舗DXの主な方向性としては、顧客体験の向上、業務効率化、データ分析の3つが挙げられます。これらの要素をバランスよく実現することで、顧客満足度と従業員満足度の向上、そして売上・利益の増加といった成果に繋げることが可能となります。
顧客体験向上
店舗DXは、顧客一人ひとりに合わせた最適なサービスを提供することで、顧客満足度を向上させることを目指します。顧客は自分に必要な情報や商品をスムーズに入手できるようになり、快適で満足度の高い購買体験を得ることができます。
例えば、スターバックスでは、公式アプリを活用したモバイルオーダー・電子決済の仕組みを公式アプリで提供しています。
当該アプリは会員証・顧客管理の機能もはたしており、スターバックスカードの電子化、ギフトの送信、ポイント・リワードの管理などロイヤルカスタマー化していくための施策を多数提供しています。(一部は後述します)
業務効率化
業務の自動化や効率化も、店舗運営には重要な命題です。従業員の負担を軽減し、生産性を向上させることを目指します。効率化が実現されれば、従業員はより創造的な業務や顧客対応に集中できるようになり、従業員満足度の向上にもつながります。
例えば、小売業界では、セルフレジや無人店舗の導入により、レジ業務の自動化が進んでいます。従業員は商品陳列や接客などの業務に集中できるようになり、顧客満足度の向上にもつながります。
また、在庫管理や発注業務などを自動化するシステムを導入することで、人為的なミスを減らし、業務効率を大幅に向上させることも可能です。
データ分析
店舗DXでは、顧客の購買履歴や行動履歴などのデータを収集・分析することで、顧客のニーズを把握し、より効果的なマーケティング施策を実施することが可能になります。
例えば、POSデータや顧客の購買履歴を分析することで、顧客の購買傾向やニーズを把握し、商品開発や仕入れ、販売促進などに活用することができます。
また、顧客の属性や行動履歴に基づいたターゲティング広告を配信することで、より効果的に顧客にアプローチすることができます。
後述するダイニーでは、リピーターを把握することで、よく注文する商品をおすすめしたり、アプリのUI上でおかわりを促したりが可能です。
顧客の行動履歴に基づきレコメンドしている好例です。
店舗DXの具体的な施策
店舗DXを推進するための具体的な施策は多岐に渡りますが、ここでは代表的な例をいくつかご紹介します。
チラシ販促のDX
弊社のエリアマーケティングシステムDEECHは、各店舗が実施したチラシ販促の一元管理が可能です。
どのエリアに、どれだけの部数を配布したのかを、Googleマップ上で俯瞰して見ることができます。来店や申し込みにつながった顧客の住所データを取り込んでプロットすることもできるので、仮説検証もデジタルデータを元に実施することができます。
商圏分析機能も付いているので、商圏分析しながらエリア選定ができるため、データを元に分析や販促戦略・計画を立てることができます。新規出店時にも、「どのエリアが最適か」を見える化できます。
エリアマーケティングツールDEECHをご利用いただくことで、各店舗の煩雑なポスティング発注業務の工数削減にも役立ちます。
DEECHの機能や成功事例をまとめた資料はこちらから無料でダウンロードできます。ぜひご覧ください。
モバイルオーダーの導入
飲食店などでよく見られるようになったモバイルオーダーは、顧客が自分のスマートフォンから注文できるシステムです。
レジに並ぶ必要がなく、待ち時間の短縮や顧客満足度向上に効果的です。また、LINE登録などの顧客情報取得を効率的にできるモバイルオーダーシステムもあります。
引用:ダイニー
飲食店領域で有名なダイニーでは、「動画による魅力的なメニュー訴求」「おかわりドリンクの上位表示」や、「多言語自動切替・翻訳機能」などが充実。
LINEとの連携で自動的に会員化することも可能です。
セルフレジ・キャッシュレスの導入
セルフレジやキャッシュレス決済は、顧客の利便性を向上させるだけでなく、レジ業務の効率化にもつながります。従業員はレジ業務から解放され、より高度な接客などの業務に集中することができます。
引用:ポスタス
クラウドPOSレジのポスタスは、セルフレジシステムも提供。
セルフレジシステムは、先ほどご紹介モバイルオーダーや裏側の売上管理・顧客管理システム(CRM)とも連携しているものも多いため、すでに自社で基幹となるシステムが導入されている場合、そのシステムと連携できるものがおすすめです。
会員カードの電子化
従来の紙ベースの会員カードをスマートフォンで管理できるようにすることで、顧客の利便性を向上させることができます。ポイントカード機能やクーポン配信機能などを搭載することで、顧客とのエンゲージメントを高めることも可能です。
引用:toypo
toypoh低コストでオリジナルの店舗アプリを導入できるシステムです。
単純な会員証の電子化だけではなく、スタンプカード、クーポン配信、プッシュ通知などリピーターを増やすための施策に必要な機能が揃っています。
シフト・勤怠管理のSaaS利用
従業員のシフト作成や勤怠管理をSaaSで行うことで、業務効率化だけでなく、データに基づいた人材配置やコスト管理が可能になります。従業員にとっても、スマートフォンやPCから簡単にシフトを確認したり、休暇申請ができるなど、利便性が向上します。
引用:AirSHIFT
Airレジで有名なリクルートが提供するAirSHFTでは、店舗スタッフの方のシフト管理・勤怠管理などが一元管理できるシステムです。
またシフトが埋まらない際のスタッフ募集なども可能です。
店舗DXの成功事例
ここでは、店舗DXを成功させている企業の事例を具体的に見ていきましょう。これらの事例から、業種や規模に関わらず、店舗DXがもたらす効果や可能性を感じ取ることができるでしょう。
ファーストリテイリング
ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは、積極的なデジタル技術の導入により、店舗DXを推進しています。
例えば、顧客はユニクロのアプリを使って商品の在庫状況を確認したり、購入した商品を店舗で受け取る「ORDER & PICK」サービスを利用することができます。
また、RFIDタグを活用したセルフレジの導入により、会計のスピードアップを実現しています。
参考:ユニクロのセルフレジが進化! その仕組みは?–ハイテクレジを利用してみた!
特定のスペースに商品を入れるだけで、商品が集計され、会計ができるような仕組みになっています。RFIDと呼ばれるICタグを全ての商品につけ、セルフレジで読み込む仕組みをつくることで実現しています。
筆者も利用したことがありますが、単純なセルフレジだとバーコードを読み込む手間があるのに対し、このレジは特定スペースに商品を置くだけ。通常のセルフレジより圧倒的に手間が省け素早い会計に驚いた経験があります。
株式会社アレフ
引用:ディッシャーズ
ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を運営する株式会社アレフの新業態店舗「ディッシャーズ」は徹底的にデジタル化にこだわった好例です。
・卓に置かれたタブレットからのセルフオーダー
・セルフレジにてトッピングなどを自由できるUI/UXの担保
・セルフレジの導入
・POSレジ連携でリアルタイムに注文・売上データを管理
これにより、フードロスの削減、運営人件費の削減、会計スピードの向上など、顧客体験だけでなく、提供側のコスト削減にも寄与しています。
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
スターバックスは、公式アプリを活用したモバイルオーダーシステムを導入し、顧客の利便性向上と店舗の業務効率化を実現しています。
顧客は、アプリから事前に注文と決済を済ませることができ、レジに並ぶことなく商品を受け取ることができます。また、店舗側は、注文を受ける手間や会計処理の時間を削減できるため、より多くの顧客に対応することが可能に。
顧客とのコミュニケーション・接点を重視しているスターバックスだからこそ、それ以外の業務を自動化し顧客提供価値を高めています。
店舗DX導入の注意点
店舗DXは、正しく導入すれば大きな効果が期待できますが、注意すべき点もいくつかあります。ここでは、店舗DX導入の注意点について解説します。
目的の明確化
店舗DXを導入する前に、「何のために導入するのか」という目的を明確にする必要があります。
・顧客満足度向上
・業務効率化
・集客向上・売上向上
など、店舗DXによって実現したい目標を設定し、その目標達成のために最適なソリューションを導入することが重要です。
闇雲に流行の技術やサービスを導入しても、期待した効果を得られない可能性があります。自社の課題やニーズをしっかりと分析し、目的を明確にした上で、最適なソリューションを導入するようにしましょう。
経営陣の理解と従業員への理解
DXを推進するには、まずは経営陣がその重要性を理解し推進していくというスタンスが必要です。ご自身が経営陣ではない場合、まずその必要性を理解してもらうところからスタートせねばなりません。
また店舗のDXは、従業員の働き方を変える可能性もあるため、導入前に従業員に対して十分な説明を行い、理解と協力を得ることが重要です。
新しいシステムやツールの使い方を習得する必要がある場合もあるため、研修などを実施し、従業員がスムーズへ向けたサポートの構築も大切です。
セキュリティ対策
店舗DXでは、顧客の個人情報や購買履歴など、重要な情報をデータ化するため、セキュリティ対策は非常に重要です。
個人情報保護法などの法令を遵守することはもちろんのこと、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクを最小限に抑えるための対策を講じる必要があります。
具体的には、セキュリティ対策ソフトの導入、アクセス権限の設定、従業員へのセキュリティ教育などを実施することが重要です。
まとめ:店舗DXで売上アップ&顧客満足度向上を実現しよう!
今回は、店舗DXの定義やメリット、具体的な事例、導入時の注意点などを詳しく解説しました。
店舗DXは、顧客満足度向上、業務効率化、データ分析による売上向上など、多くのメリットをもたらす可能性を秘めています。店舗DXを成功させるためには、自社の課題やニーズを把握した上で、明確な目的意識を持って導入することが重要です。ぜひこの記事を参考にして、自社の店舗DX推進にお役立てください。
店舗集客をDXするならDEECH
弊社のエリアマーケティングシステムDEECHは、商圏分析しながらポスティングのエリア選定ができるツールです。国勢調査や住民基本台帳のデータを元に、全国のエリア分析や販促戦略・計画を立てることができます。販促策の実施後に、反響の出た場所をプロットすることも可能なので、データ収集しながら販促の最適化につなげられます。
DEECHの機能や成功事例をまとめた資料はこちらから無料でダウンロードできます。ぜひご覧ください。