ポスティングは違法!?リスクとクレームの対処法をプロが解説します。

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「ポスティングした家から、『訴えるぞ!』と言われた…違法なの?」。結論としては、ポスティング自体は違法ではありませんが、方法によっては違法とみなされることも。この記事では、違法になりうるケースや、そのリスク軽減方法、クレームの対処法と、そもそもトラブルにならないための注意点まで紹介します。

※この記事では、ポスティングに関する苦情やお客様からのご意見を、便宜上「クレーム」と表現させていただいております。ご了承ください。

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ポスティングは違法なの?

ポスティングの行為そのものは違法ではない

現時点で、ポスティングそのものを禁止する法律は日本にはありません。「ポスティングは違法か」という問いに対する結論としては「違法ではない」です。ただし、ポスティングの「仕方」によっては、過去に違法になった判例があります。

それは、住民から投函禁止の要請を受けたにも関わらず、ビラ配りのために敷地内に侵入した事件。ただし、ポスティングそのものが違法とされたわけではなく、あくまで「投函禁止の要請にも関わらず、敷地に侵入した」という点が罪に問われたものです。2つの判例を紹介します。

 

過去ポスティングを通して違法になった判例

①立川反戦ビラ配布事件:「住居侵入罪」(刑法第130条前段)

立川市で反戦運動を行っていた団体のメンバー3人が、自衛隊のイラク派兵に反対するビラを投函。住民から投函禁止の要請を受けたにも関わらず、その敷地と階段に立ち入ってビラを投函した行為が「住居侵入罪」(刑法第130条前段)に当たるとして、有罪判決が下されました。

裁判結果の詳細はこちら

 

②葛飾政党ビラ配布事件:「住居侵入罪」(刑法第130条前段)

分譲マンションの各住戸のドアポストに、政党の活動報告等を記載したビラ等を投函する目的で、同マンションの玄関ホールの奥にあるドアを開けて7階から3階までの廊下等に、同マンションの管理組合の意思に反して立ち入った行為について、「住居侵入罪」(刑法130条前段)に当たるとして、有罪とされました。

裁判結果の詳細はこちら

いずれも、「ポスティングそのものが違法」とされた判例ではなく、住居侵入の点が違法とされたものです。また共通点として、内容が、企業の広告宣伝を目的としたものではなく、政治的な内容という点が挙げられます。現時点(2020年7月時点)で、企業が広告宣伝を目的としたポスティングで、逮捕されたり有罪となったケースは見当たりません。

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ポスティングが違法になるリスクとその軽減方法

前述のように、ポスティング自体を禁止する法律はありませんが、ポスティングに関連する行為で、法に触れる可能性があるものは主に3つあります。3つの行為と、それぞれのリスク軽減方法を紹介します。

 

勝手に敷地内に入った【住居侵入罪】

過去の判例では、住居侵入罪(刑法130条前段)によって、ビラ投函(ポスティング)が有罪となっています。
住居侵入罪とは、正当な理由なく、人の住居などに侵入した場合に成立する罪です。住居侵入罪の条文はこちら

有罪となった場合、3年以下の懲役、または10万円以下の罰金が科されます。住居侵入罪の主な法定刑はこちら

住居侵入罪となるかどうかの判断でまず着目すべきは、ポスティングは「正当な理由」と言えるのか、です。ポスティングは営利目的で行っているものなので、「正当な理由」としてはグレーゾーンではあるでしょう。

もう一つの着眼点としては「住居」が何を指すかですが、戸建て住居の敷地内、マンションの共用玄関や共用廊下も含まれます。

そして、「居住者の意思に反するかどうか」も罪に問われるかどうかのポイントになります。例えば、

  • 投函しないように注意を受けたにも関わらず、敷地内に入って投函を行った場合
  • 「チラシお断り」などの表示があるにも関わらず、敷地内に入って投函を行った場合

などは、住居侵入罪となる可能性があります。

 

住居侵入罪のリスク軽減方法

では、ポスティングで住居侵入罪に問われるリスクを軽減するにはどうしたらいいでしょうか。

まず、マンションなどの集合住宅では許可を取って実施する必要があります。クライアントから投函禁止リスト(投函しないように注意を受けた物件)が事前に共有されている場合は、その敷地内には入らない、ポスティングしないことが重要です。

また、投函禁止リストに載っていない場合でも、住居の壁面などに「チラシお断り」などの表示がある場合はポスティングをしないようにしましょう。集合住宅でも、戸建ての場合でも同様です。

もし、「チラシお断り」などの表示がない場合でも、マンションなど管理人さんがいる場合には、「チラシを投函してもいいですか」と、一言断ってから行うことが、リスク軽減につながります。

 

チラシ禁止を無視して投函した【軽犯罪法】

軽犯罪法とは、秩序を乱す軽微な違反行為について定めた法律です。有罪となった場合には、拘留または科料が科されると定められています。軽犯罪法の条文と刑罰はこちら

ポスティングとの関係では、軽犯罪法1条32号との関連性が考えられます。

“軽犯罪法1条32号軽犯罪法1条32号 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者”

つまり、ポスティング禁止の表示が出ている、または以前ポスティングを行わないよう注意を受けたにも関わらず、住宅の敷地内、マンションの共有部分に入った場合に罪を問われる可能性があります。軽犯罪と同時に、住居侵入罪としても問われる場合もあります。

 

軽犯罪法違反のリスク軽減方法

ポスティング禁止の表示がないかどうかを確認してから投函する、マンション等では管理人さんがいれば、許可を取ってからポスティングをする、といったことを徹底すれば、違法となる可能性は抑えられます。

 

ピンクチラシなどを投函する【風俗営業法】

風俗営業法とは、キャバクラやホストクラブなどの性風俗関連特殊営業のほか、料理店、カフェなどの接待飲食等営業を行う店に関する法律です。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の条文はこちら

有罪となった場合、最も軽いもので6カ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または懲役と罰金の併科となっています。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」違反の主な法定刑はこちら

ポスティングとの関係では、風俗営業法第28条第5項2に定められています。

“人の住居にビラ等(ビラ、パンフレット又はこれらに類する広告若しくは宣伝の用に供される文書図画をいう。以下同じ。)を配り、又は差し入れること。”

性風俗店やアダルトビデオ等の通信販売などについて記載したチラシ(ピンクチラシ)を投函することは、この風俗営業法に違反します。

 

風俗営業法違反のリスク軽減方法

風俗営業法違反のリスクを軽減するには、そもそもピンクチラシなどをポスティングしないことに尽きます。広告宣伝したい場合は、ポスティングではなく、他の合法的な手段を取る必要があります。

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ポスティングでクレームがきてしまった場合の対処法

どんなに気を付けていても、ポスティングにはクレームはつきもの。どのように対応したらいいのか、ポスティング歴16年の弊社代表小菅義一に聞きました。

関連コラム ポスティングのよくあるクレーム8つとその対策 クレーム時の対処法

 

即座にお詫びの連絡を入れる

クレーム対応は「初動」が肝心。クレームの連絡が入ったら、すぐにお詫びの連絡を入れます。「この度は、ポストに投函したチラシについてご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした」とお詫びを伝えます。ポスティングを他の企業に依頼いただいている場合は、クレームをいただいた方の
・お名前
・電話番号
・住所
を必ず聞いておき、ポスティング会社に以後配布しないように伝えましょう。

 

再発しないためにどう対応するのかを伝える

お詫びを伝え終えたら、再発防止のためにどのような対応をするのか伝えます。例えば「当社の配布禁止リストにこちらの住所を登録し、二度と投函しないようにいたします」といったことです。
その際に、「株式会社DEECHの小菅が承りました」と、必ず社名と自分の名前を伝えるようにしましょう。自分が責任者を持って対応する、という誠意を伝えるためです。

 

使用厳禁ワード「クレーム」「苦情」「〇〇させます」

お詫びの電話をする際に、使ってはいけない言葉があります。

まず、「クレーム」「苦情」。なぜなら、これらの言葉には、クレームを受けている側の「被害者意識」が含まれてしまうからです。迷惑を被っているのはお客様の側なので、「貴重なご意見」という言葉に言い換えて対応しましょう。

  • NG例:「いただいたクレームの再発防止に努めます。」
  • 良い例:「貴重なご意見ありがとうございます。再発防止いたします。」

 

また、「〇〇させます」という言葉もNG。「自分のせいではない」という印象を与えてしまいます。お詫びをしている自分が主体となって「次回から投函しないようにします」と言い切りましょう。

  • NG例:「次回から投函しないようにさせます。」→「自分ではない他の誰かが」という意味が含まれ、誠実さに欠けた印象。
  • 良い例:「次回から投函しないようにします。」→二度と投函しないという意思が感じられる。

 

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ポスティングでトラブルにならないための注意点

では、ポスティングでトラブルにならないためにはどうしたらいいでしょうか。注意点を紹介します。

同じ場所に投函しないように住所を配布禁止のリスト化しておく

クレームがあった方の名前や住所、電話番号は必ず控えておき、配布禁止リストを作成します。既にリストがある場合は、そこに必ず追加しましょう。

確実に再発しないために配布員を配布禁止物件まで連れて行く

再度同じ物件にポスティングしてしまわないように、配布員にはしっかりとその住所を伝えます。自社でポスティングを行っている場合は、配布員に指示を出す際に、該当する物件の前まで連れて行き、「このマンションの●号室には配布しないで」とその場で伝えてから、配布をスタートすれば間違いありません。

真摯な対応をしてくれるポスティング会社を選ぶ

ポスティング会社に依頼している場合は、基本的にはその会社がクレーム対応も請け負ってくれます。外注する際には、ポスティング経験が豊富で配布員の教育がしっかりとされている企業を選ぶことも対策の一つです。
ポスティングの経験値は、「配布禁止リストを何件持っているか」でも測ることができるでしょう。件数が多いほど、それだけ多くのポスティングをしてきた証拠と言えるからです。教育が行き届いているかどうかを見極めるのは難しいですが、あくまでも一つの考えとして、あまりにも単価が安いポスティング会社には注意した方がいいかもしれません。事前に情報収集をしたり、コミュニケーションを取るなどして、選択しましょう。

関連コラム ポスティングのよくあるクレーム8つとその対策 クレーム時の対処法

 

ポスティングの違法性まとめ

ポスティング自体は違法ではないものの、「ポスティング禁止」の表記があったらポスティングしない、マンションなどでは許可を取ってからポスティングする、ということが、違法性のリスクやトラブルない実施につながります。クレームがあったら配布リストなどにきちんと記録しておき、再発しないようにしましょう。

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