Facebookを地域広告として活用 集客力を高める地域指定の種類と方法を解説
Facebook広告は、配信する地域を指定することができます。地域密着ビジネスの企業様や、集客エリアが一定範囲内に多い場合には、この地域指定をすることで反響を高め、ひいては費用対効果アップにつながります。商圏内の見込み客にリーチしたい方に、集客力を高める設定方法をご紹介します。
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目次
地域広告としてのFacebook広告とは
Facebookの広告配信は、店舗から半径1km~地域指定をした配信ができます。ウェブ広告は、エリアを問わず配信されると思われがちですが、店舗の集客エリアがある程度決まっている企業や地域密着型の企業にとっては、この地域指定をすることで無駄打ちを抑え、費用対効果の高い広告配信につながります。地域密着ビジネスにFacebook広告の活用は適しているといえるでしょう。
Facebook広告は、マーケティングファネルの認知拡大~比較検討層、ひいてはコンバージョン(購入やお申込みなど)までにわたる、幅広いフェーズのターゲットにアプローチできる広告です。
また、チラシなどのポスティングや新聞折り込みでは、基本的には「そこに住んでいる人」にしか情報を届けることができませんが、Facebook広告ではそのエリアに住んでいない人にもリーチできるのが、紙の広告にはない強みです。
地域指定の手順としては
・地域指定の種類を4種類の中から1つ選択する
1.この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人
2.この地域に住んでいる人
3.最近この地域にいた人
4.この地域を旅行中の人
↓
・地域指定の方法を選択し、どのエリアに配信するのかを指定する
という順で行います。それぞれについて詳しく解説します。
Facebook広告の地域指定 4種類
Facebook広告の地域指定の種類には、下記の4つがあります(2021年4月時点)。
1.この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人
選択されたエリア内に自宅または一番最近の位置情報がある人。
2.この地域に住んでいる人
選択されたエリア内に自宅がある人。
3.最近この地域にいた人
選択されたエリア内に一番最近の位置情報がある人。
4.この地域を旅行中の人
一番最近の位置情報が選択されたエリア内にあるが、自宅は125mi/200km以上離れている人。
※mi…mile マイル
Facebook広告の管理画面上では、下記のようにラジオボタンでいずれかを選択できるようになっています。
それぞれの仕様と、どのような場面に向いているか特徴について紹介していきます。
1.「この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人」はより多くの人に届けたい場合
特定の地域にいると判断されたすべてのユーザーに広告が配信されます。そのエリアへのかかわりの強度に関係なく、訪問や滞在があった人に対して配信できます。
4種のエリア指定の中で最も多くの人にリーチができるため、多くの人を集客したいという場合に効果的です。
デフォルトではこの設定が選択されており、できる限り機会損失を抑えるためにこの設定が推奨されていると考えられます。しかし、「明らかにターゲットにはなりえない人」が配信対象に含まれてしまうこともまた、機会損失です。除外したいユーザーが多く含まれてしまいそうな場合には、2以降の設定に変更しましょう。
この設定に向いている業種としては、例えば、下記のようなものが挙げられます。
・百貨店
・商業施設
・飲食店
・ドラッグストア
・書店
・映画館 など
共通点は、偶然そのエリアを訪問した人でも、その店舗で買い物したり、ふらっと立ち寄ったりすることが想定される業種となっています。
2.「この地域に住んでいる人」は住んでいる人だけにリーチしたい場合
そのエリアの居住者に絞って配信したい場合は、この設定を選択します。この設定に向いている業種は下記が考えられます。
・学習塾や学童保育などの教育施設
・スーパーマーケット
・食料品店
・駅から離れた場所に立地するスポーツジム
・ホームセンター
・家電量販店 など
地域密着ビジネスを展開している企業が主な対象になります。共通点としては、日常的に繰り返し利用する施設や、比較的大型の買い物などをする店舗であること。学習塾などの教育施設については、通う子どもの年齢が若いほど、保護者の送迎が必要になると考えられるため、基本的にエリア内に居住している人が対象となると考えられます。基本的に電車などを乗り継がない範囲に立地する場合や、車を持っている場合は車での利用が見込まれる業種になります。
なぜ居住エリアを判別できるのか
ここで、「なぜこのエリアに住んでいるかどうかが分かるのか」と疑問に思うかもしれません。
これは当社の見解ですが、Facebookはプロフィールに居住エリアの情報を登録しているユーザーもいるため、この情報をもとにセグメントされているとも考えられています。居住エリアを登録しているユーザーの他にも、そのエリアで夜間に長時間にわたって繰り返し位置情報が検知されたユーザーはそのエリアに居住していると想定できるので、こうしたシグナルでの属性のセグメントがされているのではないかと考えられます。
3.「最近この地域にいた人」は勤務先や通学先など高頻度の来訪者にリーチしたい場合
特定の地域で位置情報が検知された人を対象に配信する設定です。そのエリアに勤務先がある、通学先がある人のほか、留学生や出張中の人も含まれます。居住情報は関与しないため、「この地域に住んでいる人」は含まれないと考えられます。下記の業種がこの配信設定に向いていると考えられます。
・スポーツジム
・ネイルなどの美容系サロン
・整骨院
・英会話教室
・飲食店 など
これらの業種は、そのエリアや沿線エリアへの来訪が定期的にあることが共通点です。スポーツジムやネイルサロン、整骨院、英会話教室などは、ビジネスパーソンの場合は自宅の近くでなくても、職場の近くで帰り道の途中で立ち寄って利用する、といったことが想定できます。飲食店については、昼食や同僚との食事会などは勤務地周辺の飲食店で行うと考えられるため、こちらの設定が適しています。
4.「この地域を旅行中の人」は旅行などで遠方から訪れる人にリーチしたい場合
国内旅行客、外国人旅行客などが該当します。デフォルト設定では1.「この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人」になっているので、旅行中の人を対象としたい場合は特に機会損失の可能性が高いです。忘れずに設定しましょう。
この設定に向いていると考えられる業種は下記です。
・ファッションブランド店
・レジャー施設
・観光地の飲食店 など
そのエリアにしかない店舗の希少性などから、旅行客を対象としている業種が向いています。
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Facebook広告の地域指定の方法
上記の設定をした上で、どのエリアに配信するか具体的な地域を選択します。その際の指定方法には下記の2つがあります。
・都道府県/市区町村
・ピンドロップ
それぞれについて詳しく紹介します。
都道府県/市区町村で指定
都道府県単位、市区町村単位で指定するものです。複数の都道府県、市区町村を選択できます。ただし、市区町村での指定は非対応の地域が多いので、注意が必要です。
また、郵便番号での指定は日本では非対応となっているため、市区町村よりも狭域で指定したい場合には、この後紹介するピンドロップを選択すると良いでしょう。配信エリアに含めたくない場合には、「除外」を指定することも可能です。
この指定は、例えば下記のような場面での使用が想定できます。
・市区町村別のキャンペーン(●●区の方へのお知らせ、など)
・ハウスクリーニング会社の居住者限定のサービス
ピンドロップで指定
任意の場所を選択し、そこから半径で指定できるものです。距離は、半径1~80Kmで設定でき、複数エリアを選択できます。下記のような場面での使用が想定できます。
・商圏が比較的狭域の場合
・市区町村の分かれ目ではなく、店舗を中心に指定したい時
また、都道府県/市区町村指定と同様に、こちらも配信エリアに含めたくない場合には、「除外」を指定することも可能です。競合店のエリアなどの除外は、市区町村指定よりもこちらが適しているといえるでしょう。
Facebook広告を地域広告として活用するメリット
Facebook ならではの特徴として下記があります。
費用対効果アップ
地域指定をすることで、そのエリアに関係性がより強い人を対象に配信することができます。例えば、どのエリアに住んでいるか分からない1,000人が広告を見た場合と、自店の商圏内の居住者や訪問歴がある1,000人が広告を見た場合とでは、後者の方が反響が出る可能性は高いでしょう。特に地域密着型の店舗を経営・運営している方は、この設定をすることで費用対効果をアップできるでしょう。
「実際にコンバージョンを獲得できている」という事実
これは当社で複数の広告媒体を運用している上での事実なのですが、Facebook広告は認知拡大目的の要素が強い広告にも関わらず、しっかりとコンバージョン(お申込みや受注)につながっているということです。その理由としては、下記の3つが考えられます。
他の広告と比べ、広告に触れる際の体験が特異である
例えば、ディスプレイ広告の代表格でもあるGDN(Googleディスプレイネットワーク)の場合、ユーザーが情報収集している際に広告が表示されます。一方で、Facebook広告(Instagram広告も含む)は、余暇時間での利用がメインのSNSです。
そのため、何か目的意識を持っている時ではなく、あくまでリラックスした状態で広告にも触れることになるでしょう。そのような精神的なプレッシャーがない心理状態で広告を閲覧しているので、自分にとって価値のあるものや興味をそそられる広告が表示された際に、比較的クリックしやすいのではないかと考えられます。
広告枠の質が高い
Facebookは、スマートフォンでの利用に特化して開発されたSNSです。そのため、実際にスマートフォンで見た際に広告枠(広告が表示される形式)が見やすく、目に留まりやすく設計されています。あくまでも、他のユーザーの投稿と同じ形式で広告が表示されるので、違和感が少なく受け入れられやすいと考えられます。
ユーザー数が多いため機械学習で最適化されやすい
国内のユーザー数では、TwiterやLINEに及ばないものの、世界中のユーザー数でみると、圧倒的に多いFacebook※。そのため、ユーザーのFacebook上での操作データを機械学習し、そのデータをもとに、ユーザーの興味関心度合いを推し測った広告配信を実現していると考えられます。
例えば、カルーセルタイプの広告の場合、興味があれば掲載されている画像を次々に閲覧していくはずですし、タイムラインでスクロールせずにとどまっている場合や「続きを読む」のリンククリックがされた場合は、その投稿への興味度合いが強いと考えられます。このように、ユーザーの興味関心度合いを測るシグナルをキャッチしているからこそ、精度の高いターゲティングに反映しているのでしょう。
Facebookを含む全8媒体の |
Facebook広告で地域指定する際の注意点
Facebook広告で地域指定する際の注意点を紹介します。
エリアの絞り込み過ぎに注意
初めてウェブ広告を行う企業様の傾向として、最初から「店舗周辺の1km圏内に配信したい」など、かなり狭域での設定をご希望されることがあります。その場合、リーチできる数が見込めないため、特に認知拡大の段階の商品やサービスなどの場合は広告の意義がかなり薄れてしまいます。人口密度の高い都心部では配信できても、郊外などでは配信できないケースも出てきます。
また、母数が減る分、クリック単価や表示(インプレッション)単価などの入札単価が上がってしまい、割高な配信になってしまう可能性もあります。
リーチ数が多いか少ないかは、設定時に「想定リーチ数」のバロメーターが表示されるようになっていますので、その時点であまりにも少ない場合は配信エリアを広げる調整することをおすすめします。
いずれにしても、運用の際には、配信スタートした翌日にはリーチ数や入札単価が想定内に収まっているかなどを必ず確認しましょう。
Facebook広告 地域広告としての活用事例
ここで、Facebook広告で地域指定した事例をご紹介します。
スポーツジムのFacebook広告 地域広告としての活用事例
課題 | 若年層の顧客への認知と、体験申し込みにつなげたい。 |
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アプローチ | 駅近くの店舗のため、沿線の通勤・通学者も顧客となる可能性が高いと考え、下記で設定。 -地域指定の種類 3.「最近この地域にいた人」 -地域指定の方法 ピンドロップで沿線の複数駅を起点に、それぞれ半径3kmで指定。 |
結果 | 若年層の体験申し込みを獲得し、継続的に配信することで若年層の会員割合が増加。店舗名の指名検索でのホームページ検索数も増加し、認知拡大にも貢献した。 |
学習塾のFacebook広告 地域広告としての活用事例
課題 | 新カリキュラムスタートに向けて、新規顧客を開拓したい。 |
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アプローチ | ー地域指定の種類 2.「この地域に住んでいる人」 ー域指定の方法 ピンドロップで自店から半径5kmを指定。また、沿線の隣接する駅を起点にそれぞれ半径3kmで指定。 |
結果 | 新規顧客からのお申込み獲得につながった。 |
ハウスクリーニングのFacebook広告 地域広告としての活用事例
課題 | 新規顧客を開拓したい。特に若年層からのお申込みを増やしたい。 |
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アプローチ | ー地域指定の種類 2. 「この地域に住んでいる人」 ー地域指定の方法 同社が拠点を置くA市で指定。電鉄系のハウスクリーニング会社で、沿線の顧客にアプローチしたいため、ピンドロップではなく、その市内の居住者を対象にできる市区町村指定を選択。 |
結果 | 新規顧客獲得に成功。受注件数のうち、30~40代の割合が8割となった。 |
地域広告としてのFacebook広告 まとめ
ウェブ広告は配信エリアを選択できないと思われがちですが、Facebook広告では半径1kmと、比較的狭域から指定できることがお分かりいただけたかと思います。絞り込みすぎには注意が必要ですが、もし御社が地域密着でビジネスを展開されているのであれば、地域指定をすることでターゲットへのアプローチの可能性が高まります。コンバージョンにもつながりやすいというFacebookならではの強みもあるので、集客策の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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