飲食店のチラシ作成のコツ ここだけ抑えて反響率・集客力アップ
飲食店の反響率・集客力がアップするチラシ作成のコツを紹介するコラムです。デザインのポイントや作成方法の特徴をふまえて、インパクトがあり見やすい飲食店のチラシの作り方を解説します。
飲食店チラシ 反響率の指標
そもそも「反響」と一口に言っても、購入申し込みや予約、お問い合わせ、入会など業種によって異なりますが、飲食店の場合は「来店数」や、デリバリーであれば「注文数」を反響数としてカウントするのが一般的でしょう。
では、反響率の中でも、飲食店のチラシの反響率はどれくらいなのでしょうか。不動産業界の反響率が0.01%、食品スーパーが1%~5%といわれるのに対し、飲食店のチラシの反響率は0.03%(※当社調べ)ほどです。10,000人にチラシを配って3人が来店するという計算です。計算方法は下記です。
反響率(%)=来店数(もしくは注文数)÷配布枚数×100
しかし、どんなチラシでも、上記の反響率を獲得できるというわけではありません。チラシを配るターゲットの定め方や、ターゲットのニーズに合わせたチラシデザインの作成など、戦略的な販促によって大きく変わってきます。
また、チラシは一回配布して終わりではなく、ターゲットに情報を意識づけるように継続的に配布することで店舗の認知を高め、ひいては反響率アップにもつながります。
反響率を高める飲食店チラシ作成のコツ
反響率を高める飲食店のチラシはどのように作成すればいいのでしょうか。飲食店のジャンルが和食か洋食であるか、ターゲットの年代などによっても異なります。ここでは、店の特色や雰囲気を表現するチラシ作成のコツをお伝えします。
1.ターゲットを決める
すべての広告制作物に関わることですが、チラシを作る際には「このチラシは誰に向けた情報発信なのか」を考えてデザインに反映する必要があります。なぜならターゲットの性別や年代により、効果的な色使いなど表現の仕方が変わってくるためです。チラシを手に取った人が「自分に向けられた情報だ」と感じることは、受注(来店や注文を受ける)する上でカギとなります。
例えば、ハンバーガー店などのジャンクフードの飲食店が10代~20代の若年層をターゲットにする場合は、黄色など明るめの色を多用することでポップな印象を持たせると効果的です。
また、老舗の蕎麦店で50代~60代の人をターゲットにする場合は、グリーンや紺など渋めな色調で、文字は漢字を使って硬めな印象を出したりするのもいいでしょう。
飲食店の周辺にどのような年代の人が住んでいるのかもリサーチしたうえで、ターゲットを定めたデザインを考えましょう。
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2.写真をおいしそうに撮る
飲食店のチラシにおいて、料理の写真は最も重要な要素です。おいしそうに見えるかどうかで、お店の印象を左右するともいえるでしょう。写真を撮影する際には、いくつかのポイントを徹底する必要があります。
①自然光のもとで撮影する
青白い蛍光灯のもとで撮った写真では、せっかくのおいしい料理も台無しです。できるだけ自然光(太陽の光)のもとで撮影しましょう。自然光が入らない場所で撮影する場合は、明るく撮影し、画像編集アプリやツールで色温度を調整するといいでしょう。
②できたてをすぐに撮影する
食欲を掻き立てるような「シズル感」を意識しましょう。ただ、温かい料理の場合は湯気が立っているので、料理がはっきりと写るのを妨げないよう、湯気が多少収まったタイミングにするか、後から加工するなどが必要になるでしょう。
③撮影する角度や皿の位置
アングルやお皿の位置は、メインの皿がよく見えることを念頭に置いてセッティングします。コース料理などで品数が多くなる場合は、なるべく多くの料理が映るように真上から撮影するとよいでしょう。
品数が少ない場合は斜めから撮影
斜めから撮影すると、奥行きが出て料理のボリューム感が出るというテクニックもあります。料理の品数や皿のサイズに合わせて、最適な角度や位置を研究しましょう。
上手く撮れない場合は、プロに依頼するのが無難
最近は、スマートフォンでもチラシの掲載に耐えうる写真を撮影でき、写真加工アプリなどでフィルターをかけたりして自前で調整できますが、センスが問われることも。写真に自信がない場合は、プロのカメラマンに依頼するのが無難です。中には料理の撮影を得意としているカメラマンもいますので、依頼するのも一つの手です。
写真をイラストで代用する
お店の雰囲気やチラシのデザインによっては、写真をイラストで代用するのもいいでしょう。ただし、あくまでも「おいしそう」な印象を与えることが前提です。多くの飲食店のチラシが写真を使っているのに対して、オリジナルの温かみのあるテイストのメニューイラストはパッと目を引く可能性もあります。
3.情報を絞り込む
飲食店のポスティングチラシはA4かB5サイズが定番です。チラシに盛り込む定番の内容は下記です。
・店の看板メニューやイチオシメニューの写真
・店名
・電話番号(注文用電話番号)
・店舗の地図・住所
視認性を考えて、文字が小さくなりすぎないように意識しましょう。また、店の看板メニューとなる写真は紙面の中央に多きく掲載すると、目立ちやすくインパクトがあり効果的です。できるだけ多くのメニュー写真を掲載したいという店もありますが、写真を複数枚のせると、小さくなり見づらくなってしまう恐れがあります。紙のサイズを大きくして、2つ折りや3つ折りにするなど、チラシの形も工夫するといいでしょう。
4.飲食店に共通の王道パターンを知る
飲食店のチラシには共通の王道となるパターンがいくつかあります。メニューの写真をただ載せるだけはなく、温かい料理であれば湯気、冷たい料理であれば水滴などのシズル感も重要になってきます。ここでは、効果的な方法をいくつかご紹介していきます。
基本的に暖色を使う
食欲を掻き立てるのは、寒色(青系)よりも暖色(赤系)です。夏は例外的に涼を感じる寒色を使うことが多いですが、飲食店のチラシでは暖色がベースになります。
自店の料理ジャンルのイメージカラーを使う
料理のジャンルによって、定番のイメージカラーがあります。ここでは主要なものを紹介します。
料理のジャンル | イメージカラー |
---|---|
中華料理 | 赤 |
カレー | 黄 |
イタリアン | 赤、緑 |
寿司 | 黒(背景色)、ゴールド |
ここで、チラシテンプレート例をいくつかご紹介いたします。
上記はあくまでも「定番」の色使いではありますが、仮に中華料理のチラシがスカイブルーのチラシだと、違和感を抱いてしまうのではないでしょうか。中華なら赤、カレーは黄色、といったイメージカラーを使うことで、視認性が高まるでしょう。
店舗のイメージカラーやブランドカラーもあると思いますので、ベースはこれらのイメージカラーにならいつつ、店舗のカラーを差し色として使うと、店舗のイメージともマッチして独自色も出しやすいでしょう。ただしメインカラーとのバランスを考えて色を多用しすぎないように注意が必要です。
季節感を出す
冬であれば、温かい料理が食べたくなりますよね。飲食店のチラシのベースカラーは暖色だとご紹介しましたが、季節に合わせて、冬は暖色、夏は寒色を使い分けると良いでしょう。たとえば、冷やし中華を扱う場合、清涼感のあるにブルーを使うのはよくあるパターンです。
季節によって使う食材も異なり、メニューも変化すると思いますので、そうした食材のイラストや画像を添えるのも、季節感を演出するポイントです。
季節 | 色 | モチーフ |
春 | ピンク、暖色 | さくら、花 など |
---|---|---|
夏 | 清涼感:水色 日差し:黄色 スタミナ:赤 |
うちわ、花火、ひまわり、ビーチパラソル、日差し、 |
秋 | 茶色、オレンジ | もみじ、きのこ、さんま、運動会、ハロウィン など |
冬 | 暖色 | 鍋、クリスマス、お正月、ワイン( ボジョレヌーボー)など |
飲食店のチラシデザインはウェブ広告に活用する
チラシのために作成したデザインは、ウェブ広告(バナー広告)でも転用しましょう。
キャンペーンなどを実施する際の集客力がアップするポイントの一つとして、「デジタルと紙のクロスメディアで行う」という方法があります。その際、同一のキャンペーンについてのPRにも関わらず、ウェブ広告のデザインとチラシのデザインとがバラバラだと、ユーザーには同一のキャンペーンとして認知してもらえず、チャンスロスになってしまう可能性があります。
デザイン、トンマナ(トーン&マナー、色調や作風)の統一は必須です。チラシデザインのウェブ広告流用は簡単な方法でもあるので、一石二鳥ともいえるでしょう。
飲食店のチラシ 作成方法比較
飲食店のチラシ作成には、主に下記の3つの方法が挙げられます。
・手書き
・パワーポイントなどのテンプレート使用
・制作会社に依頼する
以下では、それぞれの特徴と、メリット・デメリットを紹介していきます。
手書き
ペンや用紙を用意して、チラシを作成する方法です。予算をかけずに作成できる手軽さがあります。イラストを描いたりデザインが好きな場合は、あまり時間を掛けずに作成できますが、苦手な場合は余計な時間がかかってしまう可能性もあります。手描きが得意な方がいる場合はおすすめの方法です。
費用感 | 無料(別途文具類など数百円~、印刷代など) |
---|---|
メリット | ・低コストで済む ・あたたかみがあり、親しみやすい印象を与える ・一般的なフォントのチラシが多い中では、手書き文字は目立ちやすい |
デメリット | ・人によって文字の癖があり読みにくい場合も ・アウトプットが苦手な場合、余計な手間と時間がかかる |
パワーポイントなどのテンプレートで自作
マイクロソフト社のプレゼンテーション作成ツール「パワーポイント」には 「テンプレート」が豊富にあり、文字を入力するだけで簡単に見やすいチラシ作成することができます。テーマでフォントや色をカスタマイズすることができるので、統一性のあるデザインの作成も楽ちんです。
費用感 | 無料(マイクロソフト社のパワーポイントの場合は、別途ソフト代1万6,000円前後~、印刷代など) |
---|---|
メリット | ・文字を入力するだけでデザイン性のあるチラシが作れる ・テーマでフォントや色をカスタマイズできる ・自分でデザインを考える必要がない |
デメリット | ・独自性を出しにくい ・インストールする場合、コストがかかる |
制作会社に依頼
制作会社にデザインを依頼するのも1つの方法です。自分でチラシを作る時間がない、センスのいいチラシを作りたいといった場合は、プロの力を借りるのが得策ともいえます。ポスティングにも強い制作会社であれば、埋もれないチラシデザインの提案もしてくれるかもしれません。自分で作成するチラシにマンネリ感が出てしまったり、反響が伸びない場合などは、一度依頼してみるといいでしょう。
費用感 | A4サイズで5万円前後~ |
---|---|
メリット | ・自分で作るよりも高品質のチラシが作れる ・自分で作成する手間がかからない |
デメリット | ・デザインにこだわる場合、費用がかさむ ・完成するまでに数日以上かかる ・初めて利用する制作会社の場合、完成までのやり取りに手間取る可能性がある |
飲食店のチラシ作成のコツ まとめ
目的に応じたコツを踏まえてチラシを作成すれば、低コストでも集客が見込めるでしょう。費用対効果の高いチラシを目指して、ぜひ実践に生かしてみてはいかがでしょうか。
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