費用対効果がぐんぐん高まる! 商圏分析をやるべきこれだけの理由
販促に携わる方にとって、無視できないのが費用対効果。いろいろなリサーチデータを活用するのも一つですが、商圏分析を使えば、もっと効率よく販促が展開できます!商圏分析サービス「MarketAnalyzer」の導入2000社の実績を持つ技研商事インターナショナルさんに、商圏分析をやるべき理由をうかがいました。
目次
商圏分析 こんな企業が活用している!
「商圏分析って、そもそもうちの会社がやる必要あるの?」と思っている方、まずは導入されている企業の業種を一部ご紹介します。
業種という視点では、「傾向」というものはなく多岐にわたっていますが、いずれも「toC」と、最終的には消費者を対象にしている企業となっています。
また、特にBtoC企業に共通することがあります。それは「店舗を持っている」、ということです。そして、BtoBtoC企業は、その有店舗企業を支えるパートナーであることが見て取れると思います。
つまり、…toC でビジネスをしている企業 かつ、店舗展開をしている企業は特に、商圏分析を利用することで費用対効果を高めやすい、といえるのです。アマネク コミュニケーションズが支援している業種も、フィットネスクラブ、学習塾、不動産などさまざまで、色々な角度から商圏を分析しています。御社も当てはまるのでは?
では、なぜ有店舗ビジネスにマッチするのか、詳しく紹介していきましょう。
商圏分析をすると何が分かる?3つのメリット
先ほど挙げた業種の企業が、商圏分析を利用しようと考えた理由はどのようなことなのか、どのような課題に対して活用しようと考えたのか、主な理由を紹介します。
1 「本当にもうかるエリア」が分かる
店舗展開をしているほとんどの企業で、
店舗数↑ = 売り上げ↑
という図式があるのではないでしょうか。
しかし、いざ出店してみたら、自社競合してしまったり、立地の割にコスパが合わず、撤退せざるをえなくなってしまった、というケースもよく聞く話です。
記憶に新しいのが、某立ち食いステーキ店の突然の大量閉店。飛ぶ鳥を落とすように出店攻勢をかけたものの、自社競合状態に陥り、全店舗数の1割が閉店を余儀なくされました。このステーキ店に限らず、ブームに乗って至近距離に似たような飲食店ができたと思ったら、数か月後には閉店していた…という光景を、みなさんもどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
人通りが多いエリアは、当然競合も多いです。商圏分析を活用することで、出店地としてどのエリアが最適なのかを、客観的に判断できるのです。新規出店時だけでなく、不採算店舗を整理する際にも、どの店舗を残すべきなのかを数値で判断できます。
2 出店すべきエリアの比較が簡単
店舗をお持ちの企業様の場合、デベロッパーや不動産会社から出店地の提案を複数受けることも多いのでは?それらをどのように判断したらいいかで迷うこともあると思います。
商圏分析をすることで、御社が達成したい目的に合わせた「判断基準」を設け、その基準をどれだけ満たしているかを地図上に落とし込んで可視化することができます。例えば、御社が東京駅近くにあるスポーツジムだった場合、ターゲット層の30代女性が居住しているエリアと、「スポーツジム 東京駅」というキーワードで検索している人のエリアとを組み合わせて、地図上に表示できます。 データという事実がベースになるので、客観的に判断することができるのです。
3 「予想」と「実態」のブレを幅を抑えられる!
「出店してみたら、出店前の予想売上金額よりも大幅に下回ってしまった…」こんな事態は、できるだけ避けたいですよね!
個別のデータを活用するのもいいのですが、商圏分析であれば、複数のデータを掛け合わせることができ、データの精度が段違いに高まります。出店前の予測と、出店後の実態とのブレは、どうしても生じてしまうもの。ですが、そのブレ幅を極力狭められるのが、商圏分析なのです。
商圏分析の活用シーン
では、商圏分析は具体的にどのように活用できるのでしょうか。
店舗開発や店舗の統廃合に生かせる
「商圏分析をすると何が分かる?3つのメリット」でご紹介したように、数字を根拠にどこに出店すべきか、あるいはどの店を閉めるべきなのかが判断できます。
来店販促のための根拠となる
広告などの販促を展開する際に、必ず求められるのが「費用対効果」。特に、エリアによって広告媒体を使い分けている企業の場合、反響があったのかなかったのか、その結果は相対的にどうだったのかを数値で判断でき、次の販促策につなげられます。
費用対効果を最適化していける
売上を創出していくためには、日々何かしらの販促を実施していかなければなりません。やり続けていくたびに、前回の課題を克服してより効果を高めていけたらベストですよね。商圏分析のデータをもとにPDCAを繰り返していくことで、前回の課題をクリアするための施策の礎となり、費用対効果の最適化に着実に向かっていくことができるのです。
商圏分析を利用している企業のリアルな成果
では、実際に商圏分析を活用している企業が、利用したことで感じた変化を紹介していきましょう。
1 経営層の承認プロセスのスピード化
これまでは、新規出店の候補地などについて、なぜこのエリアなのか、の明確な根拠を示すことに四苦八苦していたA社の担当者。商圏分析を使って候補地Qと候補地Rの違いを数字で明確に示せることで、説得の材料集めに割く時間が激減。数値化したデータで、経営層の納得感も得られやすくなり、承認プロセスがスピーディになりました。
2 新たな顧客獲得につながった
これまで、ベテラン層の経験と勘を頼りに、販促を続けてきていたB社。しかし、ある時から反響が落ち始め、何か手を打たなければと実施したのが商圏分析でした。5年前から参照していたデータからは、ターゲットがS地区に多いと見込んでいましたが、商圏分析をすると店舗からはS地区よりも遠方にあるT地区に、より多く存在することが分かりました。
時間の経過とともに、エリアの分布も変わっていくもの。定期的な見直しを掛けることで、新たな顧客を発掘することにもつながります。
3 新入社員でもベテラン社員でも、同品質のエリア分析ができるように
C社では商圏分析ツール導入に当たり、誰でも使えるように分析方法を手順書にまとめました。新入社員でも、手順に従って操作すればエリアの分析ができるので、より多くの社員が商圏分析を共有できるようになったといいます。エリアに対する知見がない若手の社員からも、質のいい提案が出てくるようになったそうです。
かつてはベテラン社員の「長年の経験と勘」だけを頼りにしていましたが、こうした属人的なノウハウを時間をかけて若手社員に継承する手間も省けました。
なぜ商圏分析をやるべき?「地図データ」だからできること
では、改めて商圏分析をやるべき理由を考えてみましょう。
読者の中には、POSデータや顧客の会員データなどをお持ちの企業もいらっしゃると思います。もちろん、そのデータは、御社独自の貴重なデータです。
しかし、そのデータから何が分かるでしょうか。こうした表を眺めていても、購入者の傾向などを分析することはかなり難しいのではないでしょうか。
商圏分析だからこそできることは、「地図上にデータを落とし込める」ということです。
地図というのは、誰が見ても理解できる、いわば全国共通の言語。顧客の居住地などを地図上にプロットできるので、どのエリアに顧客が集中しているかを俯瞰的に見ることができ、このエリアからの来店者が少ないのはどのような理由が考えられるのか、などの仮設を立てるのにも役立ちます。
例えば、A店の商圏を分析した結果が、下図のようだったとします。
オレンジ色の丸印は顧客の居住地のプロットです。これまで、緑と黄のエリアから顧客が来ていないことは分かっていましたが、理由は明確にはなっていませんでした。しかし、このように地図に落としてみると、緑エリアとの間には川があり、橋を渡らなければならないこと、また、黄エリアには競合店があるために、来店客が少ないということが分かりました。
このように、会員データや顧客データなどを商圏分析データと組み合わせ、地図上で見える化することで、なぜそこに販促を展開すべきなのか、また、どのような販促をすべきなのかが浮き彫りになってきます。
特定のエリアの来店客数や、チラシに対するお問い合わせ件数などは、データの一側面にすぎません。その結果が相対的にいいのかどうかを、目に見える形にできるのは、地図を使った商圏分析だからこそなのです。
商圏分析をする際に気を付けるべきこと
商圏分析を実施する際に、意識すべきことをまとめました。
1 「3つの人口」を意識すべし!
人口と一口に言っても、大きく3つに分類できると考えられます。
・夜間人口(=居住者)
・商業人口(=来訪者)
・昼間人口(=通勤・通学者)
例えば、東京の六本木の人口を例に考えてみましょう。六本木のある日の24時間の人口をこの「3つの人口」に合わせて分類してみると、9割近くが商業人口、残りの1割は夜間人口ということが分かりました。つまり、六本木の人口のうち、居住者と想定できるのは、全体のたった1割に過ぎないということです。
このように考えると、販促をする場合に、昼間人口が対象なのか夜間人口が対象なのかで展開するコンテンツも異なります。一口に人口と言っても、分けて考える必要があると分かります。
2 自店だけでなく、競合店も見るべし!
自店の商圏分析だからといって自店だけを分析しても、本当の商圏人口を測ることにはなりません。商圏を同じくする競合店舗の存在を無視しては、商圏を分析したことにはならないのです。
例えば、A店の商業人口が5万人だったとして、5万人が常にA店を利用するわけではなく、1km離れた競合B店を利用することもあるでしょう。B店の吸引人口が2万人とすると、A店の実際の商業人口は、5万人よりも少なくなることが想定されます。
人口が多いエリアというのは、競合店も多いもの。商圏分析では競合店との比較もできるので、その点をしっかりと加味した販促策が、功を奏するでしょう。
まとめ
ビジネスにおいて、データ活用が必須となっている今日、商圏分析でできることも、日々進化を遂げ、対象となるデータも徐々に増えています。かつては人口データにとどまっていたものも、GIS(地理情報システム)やインターネットの検索履歴などから、一人ひとりの趣味嗜好まで浮き彫りになるほど、精度の高い分析ができるようになってきました。かつての「作れば売れる」時代が終わった今、顧客ニーズによりマッチする販促を展開するなら、商圏分析を活用することが近道といえそうです。
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◆お話をうかがった方◆
技研商事インターナショナル 執行役員 マーケティング部 部長 東京支店 副支店長 兼務 市川史祥さん |